【ソウル=鈴木壮太郎】韓国の文在寅（ムン・ジェイン）大統領は17日、丁世均（チョン・セギュン）前国会議長（69）を次期首相に指名した。経済界出身の穏健派で、2006年には産業資源相も務めた。知日派で国民の支持が高い李洛淵（イ・ナギョン）首相は来年4月の総選挙に出馬の意向とされ、与党「共に民主党」の看板として党勢回復をめざすとみられる。
文在寅大統領（左）が次期首相に指名した丁世均（チョン・セギュン）氏=韓国大統領府提供
丁氏は韓国財閥の双竜グループ（現在は解体）常務を経て1996年に国会議員に初当選した。盧武鉉（ノ・ムヒョン）政権下の2007年には与党「開かれた我が党」（ウリ党）党首も務めた。人事聴聞会を経て国会の承認を得られれば年初にも就任する。
対日関係では韓日議連の顧問を務め、日韓の経済協力は重要だとの立場だ。日本の輸出規制強化への対応を協議する与党の委員会の委員長も務める。
文氏は同日の記者会見で丁氏を指名した理由を「経済をよく知っている方であり、国会議員として党代表、国会議長を歴任し、豊富な経験と政治力がある」と説明した。
立法府の長であり、大統領に次ぐ序列2位の国会議長経験者を「格下」の首相に指名するのは極めて異例だ。就任すれば初めてとなる。野党からは三権分立の軽視だとの批判が上がる。文氏は「ためらいもあったが、野党を尊重しながら国民の統合をリードする能力がより重要だ」と語り、理解を求めた。
今回の首相交代は来年の総選挙をにらんだ動きだ。5年の任期を折り返した文政権と与党は発足当初と比べて支持率は下落しており、総選挙での勝利が大きな課題だ。李氏のほか康京和（カン・ギョンファ）外相など、知名度の高い閣僚の候補擁立が取り沙汰され、閣僚の交代が今後相次ぐ可能性がある。
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December 17, 2019 at 02:26PM
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韓国首相に丁世均氏 経済界出身の穏健派 - 日本経済新聞
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