ゴーン被告の住居の家宅捜索を終え、押収物を運び出す東京地検の係官ら(2日、東京都港区)
日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告(65)が保釈条件に違反して海外逃亡した事件で、日本の捜査当局が元会長の保釈取り消しを受け、国際刑事警察機構(ICPO)に国際手配を要請したことが2日、分かった。現地メディアによると、レバノン当局は同日、ICPOから元会長の身柄拘束を求める「国際逮捕手配書」を受け取ったという。
東京地検は2日午後、元会長が保釈条件で居住を指定されていた東京都港区の住居を出入国管理法違反(不法出国)の疑いで家宅捜索した。住居に設置されている監視カメラや私物などを押収し、元会長が逃亡した詳しい経緯を調べるとみられる。
レバノン政府が逃亡直前の2019年12月20日に同国を訪れていた鈴木馨祐・外務副大臣に元会長の送還を要求していたことも2日分かった。
政府関係者によると、鈴木氏が12月20日にレバノンのアウン大統領と会談した際、会談の最後にレバノン側の同席者が元会長の送還を日本側に何度も働きかけてきたと説明し、鈴木氏に改めて送還を求めた。
鈴木氏は日本の司法の公正な手続きにのっとって対応している旨を伝え、要求を事実上拒否したという。
トルコ当局は2日、ゴーン元会長が日本からレバノンに逃亡した事件に関連し、最大都市イスタンブールでプライベートジェット運航会社のパイロットら関係者計7人を拘束した。アナトリア通信が伝えた。
元会長は日本からイスタンブールを経由してレバノンに入国したとされており、7人は逃亡を手助けした疑いが持たれているという。
政府関係者によると、事件発覚直後からトルコ側に対応を強く働きかけていた。
元会長は国内滞在を続けるためパスポート(旅券)を常時携帯する必要が生じ、保釈条件が変更され、何らかの理由で2冊あったフランスのパスポートのうち1冊を鍵付きケースに入れて携帯することを東京地裁が許可していたという。鍵は弁護団が保管していた。
海外メディアによると、元会長はフランスのパスポートとレバノンの身分証明書でレバノンに入国したといい、レバノン当局者は合法な入国だったと認めている。
一方、出入国在留管理庁関係者によると、データベースには元会長名での出国記録はなく、正規の出国手続きを経ていない可能性が高い。東京地裁は昨年末に元会長の保釈を取り消している。
東京地検は捜査を巡り、警視庁にも協力を要請している。警視庁は今後、付近の防犯カメラ映像を収集するなどして、保釈条件として指定された住居を出て出国するまでの詳しい経緯を捜査するとみられる。
出入国管理法は日本を出国する際、空港などで入国審査官の確認を受けなければならないと規定。違反した場合は1年以下の懲役か禁錮などの罰則がある。
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January 02, 2020 at 12:14PM
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