ウクライナ旅客機の墜落現場（8日、テヘラン近郊）=ロイター
【ドバイ=木寺もも子】イランは11日、8日に首都テヘラン近郊で墜落したウクライナ国際航空の旅客機について、イラン軍がミサイルを誤射して撃墜したことを認めた。人的ミスによる撃墜で、故意ではなかったとしている。技術的なトラブルだったとする当初の主張は撤回し、犠牲者や遺族らに謝罪した。
イラン国営放送が伝えた軍の声明によると、ウクライナ機がイラン革命防衛隊の重要施設付近を航行するのをレーダーが探知し、敵と誤認したという。
ロウハニ大統領はツイッターで「イランは悲惨な過ちを深く悔やんでいる」と遺憾の意を表明した。軍の内部調査を続け、責任の所在を明らかにするとしている。ザリフ外相は「米国の冒険主義で高まった緊張の中でのミス」とツイッターに投稿し、根本の原因は米国にあると主張した。
米国などはウクライナ機の墜落原因がイラン軍の誤射だった可能性が高いと指摘していたが、イランは「真っ赤なウソだ」と反発していた。
墜落したウクライナ機は8日午前6時ごろ、テヘラン近郊の国際空港を離陸した直後に墜落した。同日午前2時ごろにイランの革命防衛隊はイラクにある米軍駐留拠点2カ所を弾道ミサイルで空爆しており、イラン軍は米軍の反撃への警戒を高めていた。
ウクライナ外務省によると、墜落ではイラン人82人、カナダ人63人を含む乗員・乗客計176人全員が死亡した。ウクライナのゼレンスキー大統領は11日、声明を発表し、イランに対して包括的な調査や謝罪、補償などを求めた。
3日に米軍がイラクへ無人機攻撃を行い、イランの革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官を殺害して以降、米・イラン間の緊張は極限まで高まっていた。イランが8日に米軍拠点を空爆した後は、報復の連鎖で全面戦争に発展することも懸念されていた。
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January 11, 2020 at 11:04AM
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イラン大統領「深くおわび」、ウクライナ機撃墜で - 日本経済新聞
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