トランプ氏は追加の新型コロナ対策として、大型減税を検討すると表明した(3日、ワシントン市内)=AP
【ワシントン=河浪武史】トランプ米政権は新型コロナウイルスの追加経済対策として、労使双方が負担する「給与税」の減免の検討に入る。同税は年1.2兆ドル(約128兆円)の税収がある基幹税で、実現すれば2017年末以来の大型減税となる。米経済は失業率が10%を超えて戦後最悪の水準になると予想され、減税とともに雇用の受け皿となるインフラ投資も打ち出す方針だ。
トランプ大統領が3日、米テレビ番組で「雇用を立て直すため、給与税減税が必要だ」と表明した。米政権と議会は新型コロナ対策として、既に過去最大の3兆ドル弱もの財政出動を決めている。トランプ氏はさらに給与税の全面免除を議会に働きかける方針で、1兆ドル規模の追加の財政出動となる可能性がある。
これまでの新型コロナ対策は、中小企業(従業員500人以下)の給与支払いを連邦政府が肩代わりする雇用維持策などが中心で、倒産や失業を防ぐ「止血」に焦点を当てていた。ただ、米経済は4~6月期の実質成長率が前期比12%減、年率に換算すれば40%ものマイナスになると予測される。失業率も10%を大きく超えそうで、新たに雇用の受け皿の確保が必要になっている。
トランプ氏が減免対象に挙げた給与税は、全歳入の3分の1を占める基幹税だ。社会保障費の財源として労使がそろって給与の6.2%分を納税する仕組みで、全面免除すれば企業と労働者の双方の負担減となる。法人税の引き下げなどを盛り込んだ17年末の「トランプ税制」は、年間の減税規模は1500億ドルだった。給与税を全額免除すれば年1兆ドル規模の巨額減税となる。
ただ、給与税減税は失業者には恩恵が及ばない。そのため、トランプ氏は「インフラ投資も重要だ」と公共事業で雇用の受け皿を確保する考えも表明した。トランプ氏は16年の大統領選でも1兆ドルのインフラ投資を公約したが、現時点で実現していない。ホワイトハウスには、中国と覇権争いを繰り広げる高速通信網を、連邦政府主導で敷設する案などがある。
米国では税財政の立案・決定権は連邦議会にあり、今後の論議は与野党の議会指導部の意向が重要になる。11月には大統領選だけでなく連邦議会選も控えており、与野党ともに「追加の経済対策を検討していく」(共和党の上院トップ、マコネル院内総務)との考えで一致する。
野党・民主党は医療活動などを担う州・地方政府に「1兆ドル規模の財政支援が必要だ」(ペロシ下院議長)と主張する。ただ、民主党の地盤であるニューヨーク州などは、新型コロナの発生前から財政悪化が目立っており、共和党は安易な州・地方の救済に反対する。追加の新型コロナ対策は、細部を巡って与野党が鋭く対立する可能性がある。
1兆ドル規模の追加対策がさらに決まれば、新型コロナを巡る財政出動は4兆ドル規模となる。国内総生産(GDP)の2割に相当し、年間歳出(4.4兆ドル)にも匹敵する巨額の臨時支出となる。財政赤字も年4兆ドルを超えそうで、GDP比で2割前後に達して、第2次世界大戦時に次ぐ水準となる。
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May 04, 2020 at 09:56AM
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