熊本地震から5年を経た県内経済は、地震以降盛り上がっていた復興需要が減少。そこにコロナ禍、昨年7月の豪雨災害の影響も加わり、トリプルパンチを受けている事業者も少なくない。苦境にある事業者の経営を回復軌道に乗せる「伴走型」の支援が、まだまだ不可欠だ。
地震による被害は被災地域の人口流出の加速を招いた。とりわけ熊本都市圏とつながる鉄道や幹線道路が不通になった、阿蘇地域への影響は大きかった。南阿蘇村は人口減少率が拡大し、地震前後の落ち込み幅の差が県内自治体で最大に。東海大阿蘇キャンパスの被災、村外への通学が難しくなった子育て世代の転出といった動きがあったためだ。
定住人口の確保は同村に限らず、地域経済を維持する上で最優先課題であるのは言うまでもない。被災地は、もともと少子高齢化が進んでいた地域も多かっただけに、移住促進など地域社会を維持する方策が急務だ。
併せて観光振興で交流人口を拡大させることも重要だ。阿蘇地域ではJR豊肥線や国道57号など、昨年からの交通インフラの相次ぐ復旧で訪問客が増加したものの、宿泊客は地震前の水準に戻っていない。コロナ禍もあって、本格回復の道筋は依然、見えないままである。
コロナ禍前まで増加傾向にあった訪日客がいつ回復するかも読めないだけに、近場の客を呼び込む「マイクロツーリズム」、余暇を楽しみながら仕事をする「ワーケーション」など、新たな誘客戦略の構築が県全体で求められよう。
県は、地震によって表出した断層などを保存する震災ミュージアム整備を進めている。災害の記憶をとどめ、防災意識の普及を図る意味でも周遊を促し、修学旅行生らの受け入れにもつなげたい。
国と県は地震後の経済対策として、被災設備などの復旧費を最大4分の3助成する「グループ補助金」を通じ事業者支援に努めてきた。「取引先との関係性を失わずに商売が続けられた」との評価がある一方、「業績回復が進んでいない」との声も少なくない。
九州経済産業局が1月に実施したアンケートでも、同補助金の活用事業者のうち、売り上げが地震前と同等以上に回復した企業は、半数程度にとどまり、2019年の前回調査より15ポイント近く減った。地震から回復途上にコロナ禍が追い打ちをかけた様子がうかがえる。このまま厳しい経営環境が続けば、事業継続の意欲を失い廃業したり、倒産に追い込まれたりする事業者が増えるのではないかと心配だ。
同補助金の先例である東日本大震災の被災地では自己負担分の借金返済が重荷となり、経営を断念したケースも散見される。金融機関や行政が連携して、販路確保などの事業者支援に一層力を注ぎたい。地域経済の足腰をこれ以上弱めてはならない。
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April 15, 2021 at 07:23AM
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