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宮城1区、民意受け「経済」重視 演説内容 自在に変化 - 河北新報オンライン

衆院選 ドキュメント東北(2)

街中で買い物客らに支持を訴える候補者ら=24日午前10時10分ごろ、仙台市青葉区中央1丁目

ワクチン短縮

 聴衆の反応や相手候補の出方に応じ、演説の内容が自在に変化する。

 「暮らしの安心には経済の立て直しが必要。そのための予算は与党議員でなければ組めない」

 選挙サンデーの24日朝。新型コロナウイルスの「第5波」が収束に向かい、人出が急増した仙台市中心部で、自民党前議員土井亨がマイクを握った。「暮らしを守る」と繰り返す野党候補への逆ねじは明らかだ。

 選挙戦中盤に入り、経済重視の姿勢を鮮明にした。コロナが落ち着いたとみるや、序盤戦で強調していた国産ワクチン開発の訴えは思い切って短縮した。

 動員を自粛している陣営に、所属する細田派の党役員や閣僚経験者が次々応援に入る。24日は党総務会長福田達夫が「国土交通(事業)には土井さんが必要」とアピールした。

バランス腐心

 経済の話題に食い付きがいいことは立憲民主党前議員岡本章子も把握済み。5期務めた仙台市議時代から、政治活動の柱である子ども・子育て政策とのバランスに腐心する。

 遊説中に子ども連れを見つけると必ず駆け寄り、制服姿の一行には「高校生?」と声を掛けて「大学や専門学校の学費負担を減らしたい」と説明する。陣営は尊重しつつも「もっと経済の話を」と進言する。

 「消費税減税はばらまきではない。地元でお金を回し、内需を高める経済対策だ」。岡本は22日夕の個人演説会で聴衆に語った。この日の朝一番の街頭演説で減税の訴えが漏れたことを受けて軌道修正した。

 「有権者が聞きたがっているのは政権批判よりも経済」と選対幹部。経済に明るい党地方議員もサポートし、演説に磨きをかける。

 前議員2人の争いに割って入ろうと、日本維新の会新人春藤沙弥香も経済論戦の土俵に立った。

 「私たちにはプランがある。消費税5%、消費税5%への減税だ」。23日夕の街頭演説で、春藤は序盤にはほぼ言及しなかった消費税減税を叫んだ。

 陣営関係者は語る。「極論すれば、今回の選挙は選挙カーを走らせて街頭演説するだけ。組織は関係なく、何を言うかに尽きる」

 無所属新人の大草芳江も教育の充実による産業活性化を訴える。

 東北一の大都市で展開される空中戦の比重は、コロナ下で極限まで高まっている。民意の風向きに、各陣営は神経をとがらせる。
(敬称略)

【宮城1区立候補者】
岡本 章子 57歳 立前①
春藤沙弥香 40歳 維新 
土井  亨 63歳 自前④(公推)
大草 芳江 39歳 無新

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October 25, 2021 at 04:00AM
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