金融プロ向け新電子媒体
金融業界で働くプロフェッショナルを対象にした有料のデジタルコンテンツサービス「NIKKEI Financial」(仮称)を今秋にもリリースします。専用サイトのほかに、ニューズレター、金融分野の著名人を招いたセミナーなどを通じ、激動期にある金融業界の将来を読み解けるサービスをめざします。
NIKKEI Financial専属の編集長やデスク、金融記者も配置。経済部、証券部と国内、海外の支局が総力を挙げて内外の金融業界をきめ細かくフォローし、将来を考察できるようなコンテンツを作ります。具体的には、日本経済新聞やグループの英フィナンシャル・タイムズ(FT)のベテラン記者が深掘りした記事、内外の金融監督・規制の情報、メガバンクや地方銀行、保険、証券といった主要金融機関の動向、フィンテック最前線、M&A(合併・買収)情報などを届けます。
ライバルや当局の動向などフォローするのに手間がかかる情報について、ウェブスクレイピングや機械学習の技術を使って提供し、効率よく情報収集・分析できるようにします。
ニューズレターも定期刊行します。「情報収集の時間がない」という多忙な金融プロに向け、編集長やデスクらが厳選した「読むべきコンテンツ」を解説付きで届けます。セミナーやラウンドテーブルには当局関係者や金融ビジネス最前線のプロを招きます。リアルな情報を得られ、人脈形成にもつながる機会を提供します。
電子版10周年 AIが記事お届け
フェイスブックで一部サービスを先行して提供している
2020年3月、日経電子版は創刊から10周年を迎えます。2020年を「第二の創刊」と位置付け、コンテンツと機能を進化させていきます。
3月下旬には新セクション「マネーのまなび」をスタートさせます。NIKKEI STYLE「マネー研究所」、日経ヴェリタス、朝刊M&I面、日経BPの月刊誌「日経マネー」など日経グループのマネー関連コンテンツを集約し、デジタルで一体配信します。
「老後2000万円問題」をきっかけに、若年層から中高年まで資産形成への関心が高まり、情報があふれるなか、「何から資産形成を始めたらいいのかわからない」と戸惑う人は少なくありません。家計から投資までおカネにまつわる幅広い、正確な金融知識が得られる場を目指します。
日経グループの編集者や記者のほかファイナンシャルプランナーやファンドマネジャーなど専門家も加わったコミュニティーをつくり、定期的にセミナーやイベントを開催します。読者からの質問にオンラインで答えたり、セミナーで講師と読者が情報交換したりと、双方向にやり取りできるようにします。
セクション開設に先行して、フェイスブックで一部サービスを始めました。金融知識が身につくクイズや金融関連動画などのコンテンツを提供しています。
秋には人工知能(AI)を活用した「パーソナライズ機能」を導入します。閲覧履歴などをもとに読者一人ひとりに、より仕事に役立つ記事や情報を提供します。11月には電子版10周年を記念して国内外のデジタルメディアのリーダーを招き、メディアの将来を展望するカンファレンスを開催する予定です。
BPと日本経済新聞出版社統合
日経グループの書籍出版事業を担う日経BPと日本経済新聞出版社が4月1日付で経営統合します。新しい日経BPは経営・ビジネス書から技術・医療専門書、生活実用書、文芸書、文庫・新書、電子書籍、映像ソフト、カスタム出版まで手がける総合出版会社となります。
統合会社が最も重視するのはクオリティー。経済学の専門書などには新ブランド「日本経済新聞出版」を掲げ、良質で専門性の高い書籍を提供します。
今年も話題作が目白押しです。名著『ビジョナリー・カンパニー』著者のジム・コリンズ氏最新作『弾み車の法則』を1月に刊行。柳川範之東京大学教授と人気コンサルタント木村尚敬氏の共著『管理職失格』は4月に登場します。
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「日経クロステック」は2月にリニューアルする(イメージ)
技術情報満載のデジタルメディア「日経クロステック」は2月12日にリニューアルします。専門コンテンツを大幅に増強し、「ビジネスAI」「デジタルヘルス」「建設テック」「DXの現場」の4つのセクションを新設します。自分の探しているコンテンツを探しやすくするパーソナライズ機能も新たに備えます。
ビジネスパーソン向けイベント・セミナー「日経ビジネスLIVE」は4月にもスタートします。ビジネス週刊誌の日経ビジネスや同電子版のコンテンツと連動し、「体感する日経ビジネス」をコンセプトに展開します。
経営支援「バリューサーチ」を刷新
法人向けのデジタル情報サービスでは、企業・業界分析プラットフォームの「日経バリューサーチ」を2月に刷新します。人工知能(AI)を活用し、「RPA」といったビジネストピックを入力するだけで、関連する企業のリストを表示するなど、企業の新規事業開発や経営戦略を支える情報サービスに進化します。
投資家と起業家をつなぐプラットフォームを提供するケップル(東京・渋谷)との協業で約4000社のスタートアップ企業情報を搭載。技術・特許データベースのアスタミューゼ(東京・千代田)が制作する「有望成長領域レポート」などコンテンツも充実します。
新しい日経バリューサーチはログイン認証が日経電子版と同じ日経IDに変わります。ユーザー個人の関心や事業領域に応じてデータやコンテンツをパーソナライズして提供することができます。
春には、社員の情報力を高め、「ナレッジ」を共有できる新しいデジタル情報サービスもスタートする予定です。日経グループの記事コンテンツ群や専門紙、良質なWEBメディアから、AIを活用して取引先や関連業界の情報を自動収集してお届けします。
取引先のデューデリジェンス(精査)業務の効率化を実現するサービスとして販売中の「日経リスク&コンプライアンス」を含め、ビジネスの課題解決に役立つソリューション型の情報サービス群を続々と展開していきます。
NEEDS50周年、秋にセミナー開催
9月にサービス開始50周年を迎えるNEEDS(日経の総合経済データバンク)は、金融機関や大学研究者の課題解決に役立つデータを整理・拡充します。秋には50周年記念セミナーの開催を予定。POS(販売時点情報管理)データを中心に日経の独自データを主に金融機関向けに販売する「日経オルタナティブデータ」事業も内外のデータ分析・提供会社との連携を通じて拡大していきます。
モネ展「サン=ラザール駅」など紹介
モネ「日傘の女性」(1886年、オルセー美術館蔵、Photo (C) RMN-GP/Stéphane Maréchalle)
印象派の巨匠、モネの代表作を国内外から数多く集めるモネ展を7月11日~10月25日にアーティゾン美術館(東京・中央)で開催します。
「睡蓮の池、緑のハーモニー」は世界で最も有名な風景画のひとつで、パリの北西、ジベルニーのモネの自宅庭園で描かれました。自然の光の美しさに魅了されたモネは風景の表現を追求するあまり、最後は自らの手で風景画を描くための庭園をつくり上げました。
展覧会では、モネが晩年の睡蓮のモチーフにたどり着くまで生涯をささげた風景画に焦点を当て、代表作の数々を紹介します。「ルーアン大聖堂」「サン=ラザール駅」「かささぎ」「日傘の女性」など仏オルセー美術館が誇るモネコレクションに加え、国内の美術館が収蔵する様々な「睡蓮」も展示します。
出展はモネが影響を受けた浮世絵や、同時代のジャポニスムの工芸品も含め約140点にのぼります。「クロード・モネ~風景への問いかけ」展の会場となるアーティゾン美術館は、前身のブリヂストン美術館を建て替え1月中旬に新規開館します。
モネ「サン=ラザール駅」(1877年、オルセー美術館蔵 Photo (C) RMN-GP/ Benoît Touchard)
モネ「睡蓮の池、緑のハーモニー」(1899年、オルセー美術館蔵、Photo (C) RMN-GP/Stéphane Maréchalle)
五輪報道、デジタル技術を駆使
2020年東京五輪・パラリンピックは世界が注目するスポーツの祭典です。日経は最新のデジタル技術を使い、ビジュアルで読み応えのあるコンテンツを発信します。
電子版で公開している「Visual Tokyo 2020」は3D映像やデータ解析により、トップ選手の強さの秘密に迫るコンテンツです。これまでに卓球、柔道など5競技を公開。今後は新体操や水泳などを取り上げます。
読者の皆さんと一緒に作り上げるコンテンツもあります。春にスタート予定の「NIKKEI SOCIAL REPO」はSNS(交流サイト)を使って皆さんが撮影した写真を集め、一部を電子版や紙面に掲載します。
障害者スポーツへの関心が高まっていることを受けて、パラリンピック関連の報道を拡充します。主要な大会の結果やアスリートの情報を手厚く報じるとともに、共生社会の実現に向けた各種の取り組みを深掘りします。
五輪・パラリンピックの大会期間中は競技の結果をリアルタイムで伝えるとともに、データに基づく分析記事も充実させます。
五輪語る催し、池上彰氏が登壇
紙面と連携した催しを開き、東京五輪・パラリンピックの開催機運を高めます。ジャーナリストの池上彰氏と大学生らが東京大会をきっかけにした国際交流などについて考えるシンポジウムを5月に日経ホール(東京・大手町)で開催。4年目を迎える連続シンポジウム「日経2020フォーラム」は東京大会から得られる知見を将来にどう生かすのかについて議論を深めます。
大会を観戦する訪日客に日本の伝統文化を知ってもらうため、東京都美術館(東京・上野)で開催する浮世絵展の魅力を伝える催しも実施します。
東京都心で大規模SDGsフェス
東京大手町・丸の内・有楽町(大丸有)エリアで5月11日(月)~16日(土)、SDGsの掲げる17の目標達成に関連するセミナー、シンポジウム、展示会を開催します。2019年より日経と日経BPで通年開催している「日経SDGsフォーラム」の中核大型イベントとなります。日本の経済活動の中心地である大丸有エリアから、日本及び日本企業のSDGs達成への取り組みを発信していきます。日経BPと共催、FTがメディアパートナー、グループ各社とも連携し関連イベントを開催します。国内外の有識者、経営者、政府、自治体関係者、研究者を招聘(へい)。日経グループを挙げた大規模イベントです。
セミナー・シンポジウム案として、「日経SDGsフォーラム」「日経SDGs/ESG会議」「水素シンポジウム」(いずれも仮称、追加案件も検討中)など幅広いテーマで参加者の理解と認識を深めるイベントを予定しています。
◇
「SDGs Week」の総称のもと、持続可能な社会の構築を目指し「エコプロ」「社会インフラテック」「気候変動・災害対策Biz」を11月、東京ビッグサイトで同時開催します。
「The UKIYO―E」455点展示
日本の代表的芸術のひとつ、浮世絵の魅力を紹介する「The UKIYO―E 2020―日本三大浮世絵コレクション」展を7月23日~9月13日に東京都美術館(上野)で開催します。
質、量ともに日本の三大浮世絵コレクションとされる太田記念美術館、日本浮世絵博物館、平木浮世絵財団が初めて共同して企画に参加、それぞれの収蔵品からえりすぐった約60人の絵師による455点を一堂に展示します。
浮世絵の祖、菱川師宣の役者絵をはじめ、喜多川歌麿や鈴木春信の壮麗な美人画、葛飾北斎の著名な「冨嶽三十六景 凱風快晴(写真、1830~33年ころ、平木浮世絵財団蔵)」「同 神奈川沖浪裏」、歌川広重の詩情豊かな風景画、それに歌川国芳のだまし絵など、さまざまな作品を通して江戸の庶民に愛され、いまでは海外にも多くのファンを持つ浮世絵の魅力を伝えます。
出品作には重文3点と重要美術品115点が含まれ、江戸の初期から幕末まで浮世絵の歴史をたどります。
グループ
QUICK 投資判断に新データ
証券・金融業界が直面する課題を解決に導く、新しいソリューションを拡充します。
昨年10月に共同で新会社を設立した野村総合研究所(NRI)のノウハウを生かし、証券会社や銀行のリテール部門が持つ顧客情報システムと連係した総合情報サービスを開発。金融機関の業務効率化を支援します。
今春には次世代のプラットフォーム型情報サービスも展開。新時代の投資判断情報として、位置情報や口コミ情報などといった、これまでの企業・政府の公式データとは異なる「オルタナティブデータ」を利用しやすい形で提供します。
個人投資家向けには、コミュニティーサイトを通じた投資サポートを強化します。投資に役立つ情報のほか、分析ツールも提供。投資家同士が情報交換できる機能もそろえます。
2021年10月には創立50周年の節目を迎えます。金融マーケットの発展に一層貢献していきます。
テレビ東京 中国でアニメ共同制作
アニメの大市場である中国でアニメ制作に参入します。パートナー企業と共同制作を手掛ける現地法人を設立。ゲームなど中国国内外でのライセンス供給も展開し、より迅速なビジネスにつながる事業基盤の拡大を目指します。
『日経スペシャル ガイアの夜明け』は今月から案内人に松下奈緒さんを迎え10年ぶりに刷新。講談社が池袋に開くエンターテインメントビルでライブ事業も始めます。
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January 03, 2020 at 05:01AM
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