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「赤字ベンチャー」に高値がつく本当の理由 - 東洋経済オンライン

「ユニコーン乱立」時代の「見えない」資本論

資本主義の資産価値は有形から無形へと変化している。いったい「無形の資本」の正体とは?(写真:xubingruo/iStock)  

資本主義経済の大部分は、今や「見えない資本」が駆動している。このたび上梓された『無形資産が経済を支配する 資本のない資本主義の正体』では、旧来的なレギュレーション下では捉えることが難しかった新しい経済のダイナミズムを、解き明かそうとしている。

新しい資本主義経済の下では、企業はどのように振る舞い、また私たち個人はどのように行動すればよいのか。最新の研究を基にその枠組みを示す。

「ありえない」価格と「ありえる」価格

ユニコーンとは評価価値が巨大な新興企業を示す言葉だが、なぜ赤字ベンチャーに巨額の値がつくのか。これはきちんと解明されていない現代の不思議の1つで、経済的な難問だ。

『無形資産が経済を支配する 資本のない資本主義の正体』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

ビジネススクールでその評価を議論をしても、ロードショウ(公募価格の値決めのために行われる出張説明会)の実地においても、「適正」「妥当」な水準をめぐっては侃侃諤諤(かんかんがくがく)の白熱したやり取りになる。

その不思議の解明の、重要な基礎的部分(の一部)を説明するかもしれない著書が登場した。『無形資産が経済を支配する 資本のない資本主義の正体』である。気鋭の若手研究者2人が丁寧にその謎に迫っている。

例えば、専門家が「ありえない」と評した価格がついた企業があったとして、それはありえる水準からの乖離だと考えられるとする。では、そのもともとの「ありえる価格」とはなんなのだろうか。

「ありえる価格」は伝統的なバリュエーション(価値算定)で、近代の会計や計量的な経済学から導き出される数値である。多少の変更はありながらも、基本的には企業が持っている資産の量、そしてそれを使っての将来の利益を計算して評価額は決まる。

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January 28, 2020 at 03:40AM
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