ワクチン接種が進めば、いつ、コロナ前の経済に戻るのでしょうか。みずほ証券のチーフエコノミスト・小林俊介さんに聞きます。
小林さんが行ったシミュレーションで感染拡大も抑えつつ、経済活動をコロナ前まで戻せる時期が見えてきたといいます。
（Q．具体的な時期を教えてください）
ワクチンの有効性と安全性を前提としたシミュレーションですので、幅を持って見る必要があります。一日、100万回のペースでワクチン接種が進むと、最も早ければ9月ごろ、遅くても12月ごろ、かなりの程度の経済活動がコロナ以前の水準に戻ることが可能という結果が出ました。
（Q．この3カ月の差は、何でしょうか）
現実的には12月になるとみています。9月のシミュレーション結果というのは、接触の多い活発な若年層も含めて、同じペースでワクチンが打たれれば、9月ごろまでに経済が再開できそうだという結果です。高齢者から先行接種しているので、若年層の接種も考えると、経済活動が再開できるようになるのは恐らく12月になると思います。
（Q．シミュレーション通りするには、何が必要ですか）
一つは、新しい行動様式を続けるということ。もう一つは、シミュレーションの弱点ですが、いわゆる感染力の強い新型の変異ウイルス。これが出てきた場合、このシミュレーションが当てはまらなくなります。だから、これからオリンピックがありますが、変異ウイルスを持ち込まないための水際対策が極めて重要です。三つめは、7月、8月は、ワクチン接種が始まっているといっても、まだまだ経済活動の再開ができない状況です。だから、この期間中は、感染抑制に全力を注がないといけないというシミュレーション結果になっています。
（Q．シミュレーション通りにいった場合、どのような業種から回復していくのでしょうか）
この約1年間に貯蓄を貯めた層、高齢者や富裕層中心として、需要が湧き上がってくると思います。それに続いて、一般層、ファミリー層の需要が回復する。ただ、外国人に旅行してもらうのは、遅れざるを得ないと思います。また、もっと遅れそうな業態としては、新しい生活様式にそぐわない飲食店や、インバウンドに頼ってきた宿泊施設は、まだまだ苦しい状況が続くと思います。
（Q．そうしたところへの経済的な支援策は、どんなことが考えられますか）
大きく分けて二つの支援が求められると思います。一つは、給付金などの補償は、柔軟に回復が遅れるような業態には続ける必要があります。もう一つは、これから回復が見込まれるような業態に、回復が見込めない業態から働き手を移動してもらう支援をする。こういうことが必要になってくると思います。先に回復できるところから回復する。そのための支援が重要になってきます。
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June 22, 2021 at 09:30PM
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9月に経済戻る？シミュレーションした専門家に聞く - テレビ朝日
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