拡大するフードマーケットつばさひばりケ丘店の精肉売り場=2021年6月4日、東京都西東京市、田幸香純撮影
身近な食品の値上がりが相次いでいる。食用油や小麦粉などの加工品から、牛肉や野菜といった生鮮食品まで品目は幅広い。需要が増えて原料価格が上がったり、天候不順で生産量が減ったりと原因も様々。家計の負担が、じわりと重くなりそうだ。
とりわけ値上げが目立つのが、食用油だ。J―オイルミルズは8月2日から、家庭向け油を1キロあたり50円以上、値上げする。値上げは今年に入って3回目で、年初時点に比べると計110円以上の値上げになる。年3回も値上げをするのは2012年以来9年ぶりで、値上げ幅は記録が残る中で最大だ。日清オイリオグループや昭和産業も同様の値上げを発表している。
原因は、原料の輸入大豆の価格高騰だ。国内で消費される植物油は、菜種油と大豆油が、あわせて半分を占める。農林水産省によると、5月のシカゴ大豆相場は一時、1トンあたり610ドル前後と、昨年同時期の倍前後まで高騰した。
アフリカ豚熱で減っていた中国の豚肉生産が回復し、搾りかすがエサになる大豆の輸入量が急増している。農水省の担当者は「コロナ禍で行き場を失った投機マネーが流れ込んでいる可能性もある」と指摘する。
影響でマヨネーズも値上がり
J―オイルミルズは、7~9月の仕入れ値は、大豆が前年同期比8割増、菜種が約2倍になると想定する。広報担当者は「原料価格は過去に類を見ない水準になっている」と話す。八馬史尚社長は5月の会見で「価格改定しても、原料価格の高騰が(値上げ分を)上回っている。非常に厳しい状況が続くと想定している」と話した。
影響は食用油だけにとどまらない。キユーピーと味の素は、原料に油を使うマヨネーズの値上げを発表した。また、大豆の価格高騰につられる形で小麦の相場も上がっており、日清フーズやニップンは小麦粉やパスタの値上げを発表した。
そばも、じわりと値上がりし…
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