
出版の経緯――瓢箪から駒?
――はじめに、どのような経緯で本書を書くことになったのか、改めて説明していただいてもよろしいですか。 齊藤 ある教科書会社で「グローバル経済」という商業高校向けの新しい社会科科目を作りましょうということから始まりました。「グローバル経済」の以前は「ビジネス経済」という科目が教えられていて、どちらかというと、大学のミクロ経済学とマクロ経済学をやさしくした内容で、大学の1年生向けの入門書を横滑りさせたら高校の教科書ができるような感じでした。 「グローバル経済」は良い意味でも悪い意味でも今日的な課題を真正面から取り扱うことを求めています。20世紀末から21世紀にかけて、経済社会に一番影響を与えたグローバル経済という、重たい課題を現実に引き寄せて書かないといけないんですよね。 なので、最初の編集委員会から難航してしまいました。というのは、「モデル」がなかったからです。前の「ビジネス経済」は大学の入門のミクロ・マクロという非常に整った良いサンプルがたくさんあったので、それを原型にして作ることができました。指導要領の中にあることは重要で大切なことなんだけど、いざ教材をどう作ればいいか、モデルがないまま、なかなかうまく編集作業が進みませんでした。 私自身は新しいことだから、どんどんやれば良いんじゃないかと思っていたのですが、今までの教科書の体系から大きく変わってしまったので、教科書会社も現場の高校の先生方もついていけなくて、拒絶反応がいろいろなところから出てきてしまいました。私としては指導要領にとことん忠実に作業しているつもりでしたが、それがかえって、既存の教科体系とあまりに大きく違う内容になってしまいました。 今までミクロやマクロの知識を教えていた高校の先生も、大学で経済学とか経営学の勉強をしていたと思うので、苦労せずに準備できていたと思います。それが、「グローバル経済」になって、昨日の新聞に出たことを教科書に入れないといけなくなってしまいました。 だけど、今の高校の先生は本当に忙しくなってしまって、新聞をじっくり読むとか、時事的な知識を一生懸命勉強する時間がないんですよね。教科書会社の方も、指導要領から外れることはできないので、難しいことは用語だけを入れてくれればいいみたいになって、専門用語のオンパレードになってしまいました。 また、グラフを出しても、グラフを説明する文章を教科書の中に書けないんですよ。通常、私たちは、縦軸はなんで、横軸はなんで、それで、なんで右下がりになるんだということから全部書くわけですが、そういうことを書くと煙たがられてしまって……。 教科書会社や現場の先生方とあまりにすれ違いが大きくなってしまって、一生懸命書いたのにボツになるのはもったいないと思って、渡部さん(有斐閣書籍編集第2部)に相談しました。そこで、グローバルなコンテキストからコロナのことを説明した1章を加えて、一般向けの教科書(教養書)にしていきましょうという話になって、企画を引き受けていただきました。 そういう意味では、私も最初からそういう気持ちではなかったのですが、瓢箪から駒が出てくれば良いのかなと、結果としてはそう思っています。
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September 17, 2021 at 07:10AM
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グローバル経済とはなにか――新型コロナウイルスがもたらした問題に真正面から取り組む(Book Bang) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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