【モスクワ=小川知世】ロシア会計検査院のクドリン長官が25日、プーチン大統領に対し、政府が掲げる経済目標に異議を唱えた。政府は2021年に実質国内総生産（GDP）の成長率を年3.1%とする方針を掲げるが、クドリン氏は潜在成長率が低く、達成は難しいと指摘した。
ロシアのクドリン会計検査院長官は政府が目標に掲げる経済成長の達成は難しいと指摘した=ロイター
同日に両氏が出席した会議では、インフラ整備など13分野に及ぶ「国家事業」の進捗について政府が説明した。これに対し、クドリン氏は「国家事業を実施しても成長軌道に導くことにはならない」と指摘した。
クドリン氏は教育と医療に対する予算が過去6年間ほぼ同水準にとどまるなどの例を挙げ、潜在成長率は1.5～2%で今後も低迷が続くとの専門家の見方を紹介した。成長率が上向いたとしても世界平均を上回るのは難しいとして、さらなる対策を講じる必要性を訴えた。
クドリン氏は00～11年に財務相を務めた。リベラル派のエコノミストとして知られ、欧米の金融界からの評価も高い。クドリン氏はプーチン氏に経済政策を進言し、過去にも国家主導のロシア経済の構造問題を繰り返し指摘してきた。
経済発展省の予測によると、ロシアの19年の実質GDP成長率は1.3%にとどまる見通し。特に国家事業の進捗が鈍かった1～3月、4～6月は同1%に届かず、低成長が続いている。
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December 26, 2019 at 06:27PM
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プーチン大統領に政権幹部が異議、経済成長「21年に3%」困難 - 日本経済新聞
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