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新型肺炎と経済 機動的政策発動の態勢を | 社説 | コラム - 熊本日日新聞

 新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大が止まらず、国内外の経済に暗い影を落とし始めた。米中貿易摩擦の影響などで減速している中国の経済が急激に悪化することになれば、密接に絡み合う日本経済への影響は甚大だ。

 安倍晋三首相は6日の衆院本会議で、長期化した場合は日本をはじめ世界経済全体に波及すると言及。「十分に目配りし、注意深く対応する」と強調したが、政府、日銀などには、状況に応じた機動的な政策を発動できる態勢を整えてもらいたい。

 中国政府は感染拡大を防ぐため発生源とされる武漢市を封鎖し、国内外の団体旅行を禁止するなど厳しい措置を取っているが、終息の見通しは立っていない。中国の実質国内総生産(GDP)の成長率は、昨年10~12月期に6・0%まで低下。今年1~3月期は、新型肺炎の影響で、5%を割り込む可能性があるという予測が出ている。

 経済的打撃は、重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行した2002~03年を上回るのではないかという懸念が強まっている。当時、中国経済が世界に占めるGDPの割合は4%に過ぎなかった。現在は16%で世界2位のシェアを誇っており、その影響力は格段に大きくなっている。

 3日に取引を再開した中国・上海株式市場の株価は、春節(旧正月)の連休前に比べて7・72%安と急落した。中国の中央銀行に当たる中国人民銀行は経済的な混乱を防ごうと、1兆2千億元(日本円で約19兆円)の資金を金融市場に供給したが、市場の不安を抑えきれていない。中国政府には、新型肺炎の封じ込めだけでなく、景気の腰折れを回避するための早期の経済対策を求めたい。

 日本国内への影響はすでに広がりつつある。中国人を中心とする訪日外国人の激減で、大手百貨店の春節期間中の売り上げは落ち込み、ホテルでも宿泊予約のキャンセルが続出。県内も観光業だけでなく、飲食店や小売店も売り上げを落としている。

 製造業に与える影響も大きい。武漢市にはホンダや日産自動車の拠点があり、自動車部品や卸売業など199社の日系企業が進出。封鎖措置が続いたままで、操業正常化の見通しは立っていない。

 日本経済は昨年10月の消費税増税で個人消費が冷え込み、昨年10~12月期はマイナス成長に転落したとみられている。今年1~3月期はその反動が期待されていたが、新型肺炎の拡大で不透明感が増す。消費税増税の負担軽減策と、昨年12月に決定した事業規模26兆円の経済対策も、景気の冷え込みを抑えるに十分なものかどうか見通せない。

 まずは、既に大きな打撃を受けた中小企業には、緊急融資など資金繰り支援を早急に行うべきだ。今後の個人消費の行方を左右する今春闘もスタートした。まだ余裕がある大企業には、安易に賃金相場を冷やさぬようくぎを刺しておきたい。

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February 08, 2020 at 07:22AM
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