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「外出自粛」それでも出かける人を抑える方法 - 東洋経済オンライン

日本人は「お願い」だけでは行動を変えない?

渋谷のスクランブル交差点。「外出自粛要請」が次第に強くなるなか、繁華街に出歩く人もなお少なくない。徹底は難しいが、どうしたらいいのか?(写真:UPI/アフロ)

新型コロナウイルスの脅威は深刻さを増しています。欧米に比べるとわが国の状況はなおひどい状況ではありませんが、いつオーバーシュートが起きてもおかしくないといわれていますので、今後も気を緩めるべきではないでしょう。

3月25日の小池百合子東京都知事の外出自粛要請以降、実際に出歩く人は減ってきています。ところが、3月30日の日本経済新聞の記事によれば、外出自粛でも普段と変わらずに出かけているという人も15%いるということです。

もちろん、仕事のためにどうしても出ざるをえない方々がいるのは当然ですが、それを差し引いても一定数の人が出歩き、夜の飲み会なども通常どおりやっているというケースもまだあるようです。小池都知事が「夜間営業の接待飲食」などを控えるよう呼びかけたように、「外出自粛」でも飲み歩いている実態は想像がつきます。

ウイルスが感染拡大しないために最も有効な対策は、人の移動をできるだけ少なくすることです。にもかかわらず、必要な用事がなくても出歩く人たちが一定割合いるとすると、そんな人たちの行動を制御するにはどうすればいいのでしょうか。

「要請を無視する人たち」のほうが目立っている

単に呼びかけたりお願いをしたりするだけでは限界があります。さりとて、中国のように強権を発動し、強制的に移動を全面禁止するということもなかなか難しいことです。とくに若い人は仮に感染していたとしても発症しなかったり、ほとんど体調に影響がなかったりするため、意識せずに出歩いて感染拡大する恐れがあると言います。テレビなどを見ていても、外出自粛要請が出た後に、街を歩いている若者にインタビューしている場面が放映されたりしています(もちろん用事があって外に出ている人が大半だと思います)。

でも、実際にはきちんと自粛要請に応えて家にいる若い人のほうが多いはずです。報道する側としては、呼びかけに対してそれを無視する人たちを紹介するほうが、ニュースの映像になると考えてやっているのかもしれませんが、これは逆効果ではないかと私は思っています。

なぜなら、「メディアが取り上げる事象」が「一種の社会規範」になってしまう可能性があるからです。すなわち多くの人が自粛しているなかで「自分は自粛しない」という人をメディアが取り上げることで、自粛しない人を増やしかねません。

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