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’80s国産名車・スズキ油冷GSX-Rシリーズ再見【革新的手法で大型車市場を牽引】 - WEBヤングマシン

'80s国産名車・スズキ油冷GSX-Rシリーズ再見【革新的手法で大型車市場を牽引】

今も絶大な人気を誇る‘80年代の名車たち。個性の塊であるその走りを末永く楽しんでいくには何に注意し、どんな整備を行えばよいのだろうか? その1台を知り尽くす専門家から奥義を授かる本連載、今回はスズキ独自の油冷4気筒を搭載したGSX-Rシリーズを紹介する。

22年の歳月を生き抜いたスズキ独自の油冷4気筒

スズキの油冷4気筒には、’85年から展開が始まったGSX‐R系と、’01〜’08年型GSX1400用の2種が存在する。本記事で取り上げるのは前者だが、改めて初代油冷4気筒の系譜を振り返ると、守備範囲の広さと生産期間の長さという点においてこのシリーズは異例の存在だったように感じられる。

具体的に言えば、デビュー当初の油冷GSX‐Rは、サーキットユースを前提としたレーサーレプリカの750と世界最速を目指したフラッグシップの1100の2機種だったのだが、’88年にはスポーツツアラーの1100/750/600F、’91年にはシャフトドライブの1100Gが登場した。

ただし主力機種のGSX‐R750/1100は、’92/’93年から全面新設計の水冷4気筒に移行する。この時点で油冷4気筒は徐々に表舞台から姿を消すと思われたものの、’95年型GSF1200を皮切りにして、以後のスズキはイナズマ/バンディット/GS1200SSなど、数多くのベーシック/スポーツモデルに油冷GSX‐R系エンジンを搭載。アルミフレームが主力の前半は動力性能を徹底追及、スチールフレームのみとなった後半は親しみやすさを重視、という開発姿勢の違いはあったものの、結果的に初代油冷4気筒の生産期間はトータルで22年にも及んだのである。

SUZUKI GSX-R1100

【’87 SUZUKI GSX-R1100H】■全長2115 全幅745 全高1215 軸距1460 シート高795mm 乾燥重量197kg キャスター/トレール26.5度/116mm ■油冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 1052cc 内径×行程76×58mm 圧縮比10:1 最高出力130ps/9500rpm 最大トルク10.3kg-m/8500rpm 変速機5段リターン 燃料タンク容量19L ■タイヤF=110/80VR18 R=150/70VR18 ※撮影車は’87年型で、アフターマーケット製マフラーの採用に伴い、アンダーカウルを撤去している。

SUZUKI GSX-R1100
SUZUKI GSX-R1100

【ライバル勢を凌駕するパワフルさと軽さを実現】GSX-R750に端を発する油冷4気筒の最大の特徴は、エンジンでもっとも高温となる燃焼室の冷却用として、シリンダーヘッドに専用のオイルノズルを設置したこと。キャブレターは負圧式が主力だが、’85~’87年型750はレースを意識したフラットバルブの強制開閉式。

SUZUKI GSX-R1100

【コクピットはレーサー的】スポンジマウントのメーターはレーサーレプリカ然とした構成。この頃のスズキは250/400を含むGSX-R系に加えて、2ストのΓシリーズにもホワイトパネルのメーターを採用していた。

生産期間が長かったおかげで、現在でも油冷4気筒の中古車のタマ数はかなり豊富だ。GSX‐R750の限定車や独創的なスタイルの’01〜’03年型GS1200SSは150万円以上の価格で取り引きされているようだが、それ以外は2ケタ万円台で数多くの選択肢が存在する。

「ただし、現在の市場に出回っている油冷の中古車で、購入してすぐに本来の性能を味わえるケースはほとんどないと思いますよ。他店やヤフオクで油冷を購入してからウチに来店する新規ユーザーさんの車両は、初期整備費用として20〜30万円かかることが少なくありません。ウチで油冷の中古車を販売する場合は、GSFやバンディットなら2ケタ万円台で収めることが可能ですが、GSX‐Rは年式が古いぶんだけ整備項目が増えるので、やっぱり100万円前後にはなりますね」

そう語るのは、今回の取材に協力してくれたガレージdbの前田憲明氏。もっとも、基本的な構造がシンプルで耐久性が抜群に高く、補修部品の入手が容易な初代油冷4気筒シリーズは、いったん本来の調子を取り戻せば以後の維持はまったく難しくないそうだ。

【取材協力:ガレージdb】専門店というスタンスではないものの、’02年に創業したガレージdbの主力機種は油冷GSX-Rシリーズで、全国から数多くの油冷オーナーが来店。今回の取材時に入庫/在庫していた車両は、GSX-R系5台+GSF4台で、作業台周辺には分解整備中の油冷4気筒/GSF750用負圧式キャブレター/GSX-R750用倒立フォークなどが置かれていた。●住所:東京都足立区江北2-3-30

’86~’92年の旗艦を務めた油冷GSX-R1100の変遷

当初は750が主役だった油冷GSX-Rだが、ここでは’86~’92年のスズキの旗艦を務めた1100の変遷を紹介しよう。初代1100の’86年型Gは、同年の750に+30psとなる130psを発揮。車体構成は750に準じているが、フレームは角パイプのサイズを太くした専用品。’88年型Jは前後ホイールのデザインを刷新。マフラーはこのモデルまでが4-1式だ。

シリーズ初の大改革が行われた’89年型は、排気量を1052→1127ccに拡大して140psの最高出力を獲得。フレームは新作で、タイヤは前後18→前後17インチに変更。’91年型の特徴は、倒立フォークと現代的な太さになったタイヤで、細部を見直したエンジンは143psを発揮。’92年の最終型ではミッションの改善が行われたが、基本構成は’91年型と同様。

SUZUKI GSX-R1100

’86 GSX-R1100G

SUZUKI GSX-R1100

’88 GSX-R1100J

SUZUKI GSX-R1100

’89 GSX-R1100K

SUZUKI GSX-R1100

’91 GSX-R1100M

SUZUKI GSX-R1100

’92 GSX-R1100N

’21中古車相場は50〜150万円:後期型も含めると選択肢はかなり豊富

上記の価格はGSX-R1100で、GSX-R750は限定車以外でも150万円以上の中古車が存在。その一方で’90年代中盤以降のスチールフレーム車は近年になって人気が高騰し、GS1200SSを除くといずれも40~60万円近辺だ。なお、油冷4気筒でタマ数が圧倒的に多いのはGSX-R1100で、それに次ぐ意外な2位はイナズマ400。

〈次ページ〉油冷GSX-Rシリーズ:メンテナンスウィークポイント解説(準備中)


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